ヘルメット治療とは

ヘルメット治療とは、一般的にリモルディングヘルメット治療のことを指します。

日本ではまだあまりメジャーではないですが、欧米では一般的な治療法となっており、日本においても徐々にその認知度が高まってきています。

この記事では、そもそも「ヘルメット治療とは何か」、「いつから始めればいいのか」、「効果はあるのか」等、ヘルメット治療を始めるにあたり気になることをまとめています。

リモルディングヘルメット治療って何?

リモルディングヘルメット治療とは、乳幼児の頭蓋骨の歪みを矯正するために、 生後3か月~18か月頃までの期間に、一定期間(個人差がありますが、5か月程度)の間、専用のヘルメットを装着し、徐々に正常な頭の形へ整える治療です

リモルディングヘルメット治療は、米国のClaren博士(Orthomerica社と共同でスターバンドを開発)が斜頭症であった自身の赤ちゃんに利用したことから始まり、その文献が発表された1979年以降から多くの医療従事者の間でも行われるようになりました。

名前の由来はリモルディング( Remolding =再成形)からきており、リモルディングヘルメットと呼ばれる専用ヘルメットを用いて矯正を行います。

赤ちゃんの頭が先天的あるいは後天的要因で歪んでしまうことは珍しくなく、その変形程度と月齢によっては、家庭内での工夫だけで再形成させるのは困難です

リモルディングヘルメットは、そのような頭蓋変形に対し、有効的に再形成を促進します。

認知度の高い欧米では、親よりも先に小児科医が赤ちゃんの頭の変形に気付き、ヘルメット治療を促すことも珍しくないそうです。

なぜヘルメット治療が普及しているの?

今も昔も赤ちゃんは出生時に頭に変形があることは珍しくなく、日中は様々な体位をとり、就寝時はうつ伏せ寝をさせることにより、6~8週間ほどで変形は緩和されていくと言われてきました。

しかし、昨今のキャリアーやベビーカーの普及に加え、仰向け寝の推進運動により、赤ちゃんはいつも同じ体位で過ごす傾向となり、これが赤ちゃんの運動機能の発達を遅らせ、更に同じ姿勢を好むようになり、頭に変形を持つ赤ちゃんが増加するという結果となりました。

いわゆる向き癖ですね。

それにしても、昔はうつ伏せで寝かせることが一般的だったことには驚きました。

うつ伏せにして窒息の危険性が高まるより頭が歪む方がよほどましだと思うのは私だけでしょうか、、


欧米では、中世の時代より頭の形は重要視されており、日本のグローバル化が進むにつれて、歯並びに続き頭の形も気を留められるようになってきたそうです。

頭の形は自然と治る?

変形度合の軽い場合には、まだ頭の成長が活発なうちに体位変換やタミータイムの工夫で変形は緩和していく可能性はあります。

ただし、「ほっといても」ではなく、能動的な工夫が必要です。頭の成長があとどれだけ残されていて、その成長を形成が不十分な場所(扁平部分)にいかに優位的に導けるかということが重要です。

変形が中等度にまで達してしまうと、そのような努力をしても、標準的な形状まで導いてあげることは難しいかもしれません。重度に至っては更に困難で、突出部分を下にして寝るのは不安定、それ以前に不可能なことも考えられます。

ヘルメット治療が必要かどうかの判断基準は?

ヘルメット治療の必要性については、脳の成長に支障をきたす歪みでないのであれば、見た目をどれだけきれいにしてあげるかという点に尽きると思います。

りっすんは、ぱっと見て頭の形が変だということが誰でもわかる程に歪んでいたので治療を行うことにしました。

一般的な頭の形に比べ、どれほど歪んでいるかについては、まず最初に、専用の病院で調べてもらうことをおすすめします。

初回の診断は1万円で受けることができ、ヘルメット治療を契約すれば、契約料金に充当されます。

病院によっては無料で診断を受けることもできるので、最寄の病院で是非一度受診されることをおすすめします。

〇リモルディングヘルメット治療 提携病院一覧
https://www.ahsjapan.com/partner/

診断では、赤ちゃんの頭の形をスキャナーにて3次元で捉え、その非対称さ、前後左右のバランス等を標準値と比較し、どの程度のゆがみであるかを正確な数値で提示し立体画像を見せてもらいながら説明を受けることができます。

りっすんの場合は、生まれた時から頭の形が気になっていて、私(りっすんママ)が頭の形にコンプレックスを持ちながら育ってきたので、この子にはそんな思いをさせたくないという一心でヘルメット治療に踏み切りました。

治療はいつから始めればいいの?

ヘルメット治療の適応時期は、生後3か月から18か月までの期間と言われています。

FDA(米国の厚生労働省に相応する機関)では、この範囲に満たないあるいは超える月齢の位置的頭蓋変形の乳幼児にリモルディングヘルメットを適応することは禁忌となっています。

通常、頭蓋骨は生後7か月くらいまでに急成長し、その後も成長を続けますが、1歳を過ぎる頃には成長は緩慢になり、1歳半前後でその形状はほぼ定まります。

その頃になると、頭蓋骨を構成している各骨の縫合部分が固定化し始め、全体の硬度が更に増していくため、頭の形状をそのまま維持しながら極めて緩やかに成長は進んでいきます。

本治療は、赤ちゃんの成長を利用して理想の形状に導くというものですので、成長が著しい7か月くらいまでに進めるのが最も効果的です。

ただし、ヘルメットの重量(180g~300g)を支える首の力が必要となり、定頸(首が据わる)していることが条件となります。

どれくらいの期間・頻度で通う必要があるの?

平均治療期間は5か月前後ですが、基本的には月齢が小さい赤ちゃんほど治療期間は短くて済みます。

その他、変形レベルや装着状況、成長速度(個人差あり)によっても治療期間は異なります。

ただし、単一のヘルメットで6か月以上装着を継続することは推奨されていないようです。

通院頻度については、治療期開始直後は2週間おき、装着状況が安定すれば3~5週間おきにフォローアップが必要となります。

1日にどれくらいヘルメットを被るの?

1日の装着時間は、入浴時を除く23時間が理想です。

ただし、治療開始直後は短時間のみ装着し、肌状況を見ながら、徐々に延長していきます。

最終的に赤ちゃんが1日23時間程度スターバンドを被れるようになるまで1週間~10日の慣らし期間が必要になります。(個人差あり)

りっすんは、離乳食を食べるときにヘルメットを触るクセがあったので、入浴と食事の時間以外は基本的に被らせていました。

ただ、汗を多くかく夏については、外出時に蒸れてしまうので頻繁に取り外していたため、装着時間はもっと短かったです。

スターバンドとは

ヘルメット治療で検索すると、まず最初に目にする「スターバンド」とは、リモルディングヘルメットの草分けでもあり、世界屈指のシェアを誇るブランドです。

リモルディングヘルメットと称される製品を扱う会社は数十社にも及び、その多くは米国にて展開しているそうです。

日本ではまだ馴染みのないリモルディングヘルメットですが、安全に・確実に治療を進められるスターバンドは、その品質の高さと信頼性から着実にご利用者数を増やし、向き癖矯正グッズやマッサージ療法、他のヘルメット治療では改善できなかった赤ちゃんがスターバンドで治療し直す例が多数あるそうです。

日本でスターバンドを用いた治療を行う会社として最も有名な(というかこの会社しか参入していない?)株式会社AHS Japan CorporationのHPにその特徴が載っていますので、詳細はそちらをご覧いただければと思います^^

株式会社AHS Japan Corporation  HP
https://www.ahsjapan.com/about/

ヘルメット治療の効果は?

肝心のヘルメット治療の効果ですが、もちろん個人差はあるものの、効果はあります。

まず、AHS JapanのHPに掲載されている体験談では、写真付きで全て効果があったと書かれています。

それに加え、TwitterやInstagramでヘルメット治療経験者のログをみると、ほぼ全ての赤ちゃんに効果があることが見てとれました。

りっすんは、2019年5月~11月まで治療を行いましたが、治療開始前はモアイ像だった絶壁頭が、今では何ら違和感のないまんまる頭になっています。

前述のとおり、治療適齢期に治療を始められるかどうかが肝になりますが、高い治療費だけあってその効果はお墨付きです。

ヘルメット治療の副作用は?脳の発達に悪影響?

リモルディングヘルメット治療は、頭の突出部を押す(Push)のではなく、大きくなり過ぎたところを維持するために抑え(Keep/Hold)、扁平部分に理想の空間を作り(Space/Open)、その空間へと今後の成長を導くというシンプルな治療方法です。

外力や締め付けによる矯正ではなく、脳の成長自体を阻害することはありません。

変形が起きたメカニズムを逆方向にそのまま利用しているだけで、もしこれが弊害を来すとすれば、変形が起きている時点で既に問題があるということになります。

勿論、頭蓋が成長できる空間を確保し続けるには、定期的なヘルメットのメンテナンスが必要です。

リモルディングヘルメット治療で有名なスターバンドシリーズは、位置的頭蓋変形症及び頭蓋骨縫合早期癒合症における術後の再形成に対し、2000年からの18年間で30万人を超える世界中の赤ちゃん(日本では過去2007年からの11年間で5,000人を超える)に使われてきましたが、事故や成長阻害等の報告はかつて一度もないそうです。

ヘルメット治療の副作用としては、 肌荒れ、汗疹などの皮膚障害が報告されているようですが、りっすんの場合、むしろヘルメット着用箇所(おでこ)の保湿効果により肌荒れが改善したので、一概に副作用として言えないと思います。

まとめ

ヘルメット治療の基礎的な説明をしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

治療の効果や副作用について気になる方も多いかと思いますが、治療開始時期や赤ちゃんの状態によってそれらは千差万別なため、最初の検診の際に病院の先生に尋ねてみることをお勧めします。

ヘルメット治療はまだ経験者が少なく、ネット上にあまり情報が載っていないのが現状です。

約40万円という多額の治療費がかかるので、よく調べたうえでないと治療に踏み切るのは勇気がいると思います。

このブログでは、私がヘルメット治療を始めるまでに調べたことと、治療中に体験したことを中心に、できるだけ詳細に情報提供していくつもりです。

是非とも他の記事をご覧いただき、治療を検討される上での参考にしていただけると嬉しいです^^



〇本記事の内容の一部は株式会社AHS Japan Corporation HPから引用しています👇

https://www.ahsjapan.com/

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